高校教育はシビルミニマム - Munchener Brucke

  高校進学率が93%を超えている現状では、もはや高校進学はシビルミニマムと言ってよい。生活保護の基準でも一般普及率が70%を超える耐久家財生活保護世帯が保持しても贅沢品とは見做されない。私は、高校教育義務教育ではないが、権利教育として、希望者は必ず受けられるものにすべきだと思う。  財源云々叫ぶ輩もいるが、高校中退者が11万人を超え、経済的理由で高校に進学できない人たちがいることで、日本がどれだけ経済的損失を蒙っていると思うのか。国を豊にする方法はただ一つ、教育に注力し、国民により付加価値の高い就業機会を与えることである。強いては失業保険生活保護の支出、犯罪発生率の抑制にも繋がる。  行政哲学として、ランニングコストに厳しく、イニシャルコストは惜しまないというのは間違いではない。障害者自立支援法などこの哲学を歪めて拡大解釈している悪しき事例はあるが、失業保険生活保護の抑制のために、職業教育に力を入れるというのはかつて高い失業率に苦しまれらた西欧などでは当然の施策になっている。一時的に無償で教育を施したとしても、失業保険生活保護を垂れ流し続けるよりは安いのである  失業中の社会人に無償で職業教育をするくらいなら、最初から経済理由で高校に進学できない人や、高校中退者を減らす方がはるかに効果的である。  「お金がないなら高校に行くな」「高校義務教育ではありません」とか、くだらないことをホザいているタワケ者、払えない数万円のお金に目くじらを立てて、「日本を豊かな国にしたい」という高い志を忘れていると思う。  産経新聞が秀逸な取材をしているのでぜひ一読してもらいたい。

このニューストピックス:「明日へのセーフティーネット」 ◆3世代にわたり生活保護  生活保護の手続きのため、大阪市内の区役所を訪れた女性を見て、ベテラン女性ケースワーカーはハッとした。子供のころ生活保護を受けていた母子家庭の娘だった。成長した娘は、母親と同じように母子家庭になり、生活保護を受けて生活していた。「親と似たような生活様式になっているんです」。そう語る口からため息が漏れた。  『国が困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする』。生活保護法は第1条にこう困窮者の保護と自立をうたっている。生活保護法の制定時に厚生省社会援護局保護課長だった小山進次郎氏=故人=は、著書『生活保護の解釈と運用』のなかで、自立に込めた当時の思いをこう書いている。  『最低生活と共に、自立の助長という目的の中に含めたのは「人をして人たるに値する存在」たらしめるには単にその最低生活を維持させるというだけでは十分ではない。凡(おおよ)そひとはすべてその中に何らかの自主独立の意味において可能性を包蔵している。この内容的可能性を発見し、これを助長育成し、而(しこう)して、その人をしてその能力に相応しい状態において社会生活に適応させることこそ、真の意味において生存権を保障する所以である』    ■ ■ ■  しかし、制定以来60年近くが経過した今、3世代にわたって生活保護の受給世帯が全国的に現れ始めている。「貧困の罠」「貧困の連鎖」…。そんな言葉が当たり前のように生活保護現場で語られる。  「誰でも努力さえすれば平等にむくわれることを前提にした『努力主義』は幻影です」と平成18年、ある自治体生活保護受給者を無作為抽出し追跡調査を行った堺市健康福祉局の道中隆理事はそう言い切る。大阪府庁出身の道中理事は、厚生労働省生活保護指導監督職員なども歴任し、『生活保護制度の基礎知識』などの著書でも知られる専門家だ。  生活保護の具体的な事例に基づいた追跡調査は、受給者にとって他人には知られたくない個人情報を数多く扱うことから、これまでほとんど行われてこなかった。それでも道中理事が調査を行ったのは、貧困の固定化に強い危機感があったからだ。調査は生活保護受給がかなりの割合で世代をまたいで継承されている実態を裏付けた。    ■ ■ ■  調査の対象になった390世帯のうち、過去に育った家庭が受給世帯だったことが判明したのは98世帯(25・1%)。母子世帯の106世帯では実に40・6%に上っていた。記録上は明確に残っていないものの、育成歴などから受給世帯に育った可能性が高い例は多数あり、実際の継承率はさらに高い。  道中理事も驚いたのが、学歴についての調査結果だった。生活保護受給者のうち、世帯主中学卒は58・2%、高校中退が14・4%。双方をあわせると70%を超えた。特に母子世帯の高校中退率は27・4%。高校中退の理由として、妊娠出産の例があったため、10代出産の実態を急遽(きゅうきょ)、追加して調べると、母子家庭106世帯のうち28世帯、26・4%が第1子を10代で出産していた。  ケースの一つ一つに、ドメスティックバイオレンス(DV)や家庭崩壊など自立を阻む現実が凝縮されていた。  「低学歴のまま、十分な技能も持てず、10代で母親になった女性の就労自立が難しいことは容易に想像がつきます。『就労自立ができなかったのは、個人の努力欠如』と個人の責任に帰着させるのではなく、社会問題として認識されるべきではないでしょうか」と道中氏は問題提起する。  むろん、学歴や成育環境が人のすべてではない。高校大学に行かなくても社会で活躍する人はいる。しかし、現在生活保護を考えるうえで、「貧困の連鎖」の要因の一つとして育てられ方や育ち方を無視することはできない。 http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080330/trd0803300819004-n1.htm
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