「信仰のために敵を倒す」僧侶兵士 中世日本には僧兵という集団がありました。 延暦寺や根来寺などが有名ですが、広大な荘園領を持つ寺院の警備や、他の勢力との武力紛争に対応し、彼らの存在によって寺院は守護大名に匹敵する強大な力を持ちました。 似ているものに、中世ヨーロッパの騎士団があります。テンプル騎士団や病院騎士団、チュートン騎士団が有名ですが、聖地の守護や巡礼者の警護、さらには異端者への攻撃をその任務としました。 こういう集団をリストアップしても面白いのですが、今回はもともと本業が僧侶で、訳あって武装し活躍した人をピックアップしてみたいと思います。 1. ル・ピュイのアデマール(フランス) 第一回十字軍の諸侯のまとめ役だった司教 アデマールはフランス南部の町ル・ピュイの司教で、第一回十字軍に教皇ウルバヌス二世の代理として従軍した人物です。 本来の役目は従軍する兵士の魂の救済にあったわけですが