妻が買ってきた本『Ex‐formation植物』が面白くて読んでいるのですが、中でも第5章「都市を映し出す植物」が秀逸でした。 そこに掲載されているのは、様々なビルに木漏れ日が映り、樹木や木の葉の姿をした影が現れている写真。例えばこんな感じ(以下はネットに落ちていたフリー素材で、本書の写真を転載したものではありません): こんな光景は見慣れたものであり、何の変哲も感じませんが、本書ではこんな解説がなされています: 僕らは植物そのものを見ていなくても植物の存在を感じている。建築物に落ちる樹木の影、すなわち木漏れ陽もそのひとつである。 コンクリートの壁や石の床に落ちる樹木の影は、くっきりと濃く動かない建物自身の影に比べて流動的で常にさざめいている。風の動きに揺らめき、葉の間を通ってくるまさに木漏れ陽はちらちらと揺動してとどまることがない。境界もぼんやりと焦点が定まらない。その揺らぎに呼応して、