日本では12月公開のピクサーの新作映画「WALL・E/ウォーリー」は、とても感動的な一編である。その感動のモチーフになるのが、昔のミュージカル映画だというのが古くからのファンにとっては嬉しい。その映画は「ハロー・ドーリー!」。1969年ブロードウェイの大ヒットミュージカルを映画化した、バーブラ・ストライサンド主演、ジーン・ケリー監督の20世紀フォックス作品である。 映画「WALL・E/ウォーリー」は、700年間一人で(一台で)黙々と地球を掃除し続けている旧来型ロボット・ウォーリーと未来型ロボット・イヴの恋物語が話の中心になっている。地球上にたった一台しかいないウォーリーがゴミ箱から拾って来たビデオテープを繰り返し観て夢焦がれ、心に刷り込まれる映像が、「ハロー・ドーリー!」の二つのシーン(「日曜は晴着で」 "Put On Your Sunday Clothes"と「ほんの一瞬のこと」 "It