暴動後に拘束された夫を釈放してもらえるよう、地元当局あてに嘆願書を書いてもらうトソン・グントルフンさん(中央)とアワンサ・バラティさん(左)=3日、新疆ウイグル自治区ウルムチ市内(共同) 【北京=矢板明夫】中国国営新華社通信が9日深夜から10日未明にかけて、新疆ウイグル自治区で航空機がハイジャックされたと報じた後、内容を二転三転させた。政府の宣伝機関とも位置づけられ、国内で速報性を競うライバルを持たない新華社の“誤報”の連発は珍しい。その裏には、少数民族問題に絡むテロ事件に神経をとがらせる中国当局の焦りが伺える。 9日深夜11時40分、新華社は「新疆ウイグル自治区内で航空機がハイジャックされた」との速報を流した。約2時間後にこれを訂正し、「アフガニスタンから同自治区に向う航空機に爆弾を仕掛けたとの脅迫があった」に改めた。さらに2時間後、アフガニスタンの空港当局者の話として「単なる技術的問題