『asahi.com(朝日新聞社):BOOK 本のレビュー...』 の新着エントリー
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わかりたいあなたのためのライトノベル入門 - 特集の本棚 - 本に出あ... book.asahi.com
ライトノベルが人気です。 出版科学研究所の調査によると、2011年の文庫本市場で、ライトノベルの販売シェアは23.5%。出版された文庫の約4冊に1冊はライトノベルだったということになります(「2011年文庫マーケットリポート」出版月報2012年3月号)。 何がライトノベルか、そうでないかは... 続きを読む
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女中がいた昭和 [編]小泉和子 - 松永美穂(早稲田大学教授・ドイツ文... book.asahi.com
■待遇、背景は? 多角的に考察 昨年、「家政婦のミタ」というドラマが大ヒットしたことは記憶に新しい。家族の中の他人、という家政婦の微妙な立場をテーマにしたドラマは多いが、「家政婦の〜」では有能だけれどロボットのような主人公が話題を呼んだ。 「家政婦」「お手伝いさん」、その前は「女中」。住み... 続きを読む
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ナショナリズムの力―多文化共生世界の構想 [著]白川俊介 - 中島岳... book.asahi.com
■熟議実現のため、棲み分け型提起 90年代以降、ヨーロッパでは「リベラル・ナショナリズム」に注目が集まっている。新自由主義が拡大し、再配分政策が機能不全に陥る中、国民の帰属意識に基づく共感から、再配分の動機付けを調達しようとする考え方が広まった。人は自分と異なる文化に属する人よりも、言語など... 続きを読む
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アマゾン電子書籍、40社と配信合意 学研・PHPなど - ニュース ... book.asahi.com
出版大手の学研ホールディングスと、主婦の友社、PHP研究所など複数の中堅出版社が、インターネット通販最大手のアマゾンと電子書籍サービス「キンドル」日本版の配信契約で合意した。3社より小規模な出版社を含めると合意は40社以上に上る模様だ。キンドルを巡って大手・中堅出版社の契約合意が明らかになった... 続きを読む
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ふしぎなキリスト教 [著]橋爪大三郎、大澤真幸 - 佐々木俊尚(ジ... book.asahi.com
■世界の「普遍」を知るために 今年の新書大賞を受賞した本書は、社会学者2人がキリスト教の基本概念を快刀乱麻を断つがごとくばっさり構造化して説明している。たとえば奇蹟(きせき)とは何か。世界はすみずみまで合理的で誰も自然法則を動かせず、ただ神だけが法則を一時停止して奇蹟を起こせる。つまり世界の... 続きを読む
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バナナの世界史 歴史を変えた果物の数奇な運命 [著]ダン・コッペル... book.asahi.com
■ヒトがつくりかえてきた生命 バナナは、あのあまりにもあからさまなカタチにもかかわらず、かわいそうに、一度もセックスをしたことがありません。なぜなら、バナナはタネなしだからです。 バナナの原種は、硬くごろごろしたタネがたくさん入ったとても食べにくい果物でした。ところが自然のいたずらで、ある... 続きを読む
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「自己啓発病」社会 [著]宮崎学 - 柄谷行人(評論家) - 書評 - 書評... book.asahi.com
■切り離せぬ「自助」と「相互扶助」 1990年代以後「自己啓発」のための本がブームとなってきた。このような本は昔からあったように思えるが、著者によると、80年代に流行したのは「自己開発」のための本である。どちらも自己改造を説くものではあるが、「自己開発」書が、集団的拡大のための自己改造を説く... 続きを読む
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老舗書店がカフェを始めたわけ――東京堂書店神田神保町店 - ニュー... book.asahi.com
多くの作家に愛されてきた老舗書店「東京堂書店」(東京・神田神保町)が、3月30日に新装開店した。入り口にカフェを併設した「ブックカフェ」として大変身。玄関はロンドンの書店を参考に設計され、クラシックな趣の書店になった。 写真特集はこちらから ■「持ち込み不可」、喫煙は可 神田神保町店リニュー... 続きを読む
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日本の地方財閥30家 [著]菊地浩之 - 青木るえか - 新書の小径(週... book.asahi.com
■それにしても面白い地方財閥の歴史 これを知ってどうなるのか。生きていく上で役に立つのか。というようなことは、子供の頃に数学などに苦しみながら思ったものだったが、最近は本屋の新書の棚の前でそう思うことが多い。「これって誰が読んで喜ぶんだ?」という新書が山ほど出ている。日本の地方財閥について知... 続きを読む
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古書の「あそび」を盛り込んだデザイン本――第9回竹尾賞 - ニュー... book.asahi.com
紙の専門商社竹尾は3月26日、デザイン関連の優れた書籍に贈る「第9回竹尾賞」の受賞式を行った。受賞作は4月11日(水)まで竹尾 見本帖本店2階(東京・神田錦町)で展示され、手にとって鑑賞できる。 写真特集はこちらから 竹尾賞は2002年に創設され、デザイン関連書籍から、コンテンツ、装丁デザイ... 続きを読む
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図説 尻叩きの文化史 [著]ジャン・フェクサス - 石川直樹(写真家・... book.asahi.com
■愛と人間味にじみ出る奇書 奇書である。先日、野村萬斎氏が演出した『サド侯爵夫人』(三島由紀夫原作)を観劇し、その余韻のなかで本書を手に取った。タイトルに「図説」と銘打たれているとおり、古今東西の尻叩きに関する図版が豊富で、それらを概観するだけでも、この本のぶっ飛び具合が伝わってくる。 著... 続きを読む
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日本の精神医療史―明治から昭和初期まで [著]金川英雄 - 斎藤環(精... book.asahi.com
■隔離されてきた精神病者 本書は、精神医学史に関する類書の中でも飛び抜けてユニークだ。扱う時代は明治から昭和初期とごく短く、官報などからの引用が多い文章はいささか読みづらい。しかし斬新すぎるその切り口で、最後まで一気に読ませる。 特異な点は二つある。第一に、精神医療を隔離・監禁の歴史として... 続きを読む
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安部公房の都市 [著]苅部直 - 田中貴子(甲南大学教授) - 書評 - 書... book.asahi.com
■廃墟を取り込み、変転する都市像 『安部公房の都市』。サブタイトルはない。帯には「人気政治学者が読み解く」とある。少しでも安部作品の評論を読んだことがある人なら、手に取るのをためらうかもしれない。安部作品における都市の問題は、すでにいくつもの論があるからだ。いまさら、何か新しい発見があるのか... 続きを読む
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吉本隆明の経済学 中沢新一さんが選ぶ本 - 中沢新一(人類学者) - ... book.asahi.com
■「価値一般」を串刺しにする思考 吉本さんには、まとまった経済学の著作といったものはない。しかし経済の問題は、文学や政治の問題と並んで、吉本さんの重大な関心領域であり続けた。スミスやマルクスの経済学を学ぶことから出発しながら、現代の新しい現実と格闘しているうちに、吉本さんは独力でひとつの体系... 続きを読む
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都市と都市 [著]チャイナ・ミエヴィル - 斎藤環(精神科医) - 書評 -... book.asahi.com
■「認識の壁」生む奇妙な平行世界 SFにおいて、この世界とぴったり重なるようにもう一つの平行世界が存在するという「多重世界」設定は定番中の定番だ。しかし、こんな奇妙な平行世界モノは読んだことがない。 舞台となるのはバルカン半島あたりに位置する二つの都市国家、〈べジェル〉と〈ウル・コーマ〉。... 続きを読む
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資本主義が嫌いな人のための経済学 [著]ジョセフ・ヒース - 山形浩... book.asahi.com
■左派こそ勉強を 2008年金融危機に始まる世界不況、さらには震災後には特に、「資本主義はもう終わり」みたいな物言いを無数に見かけてきた。これは特に左派に多いし、その人たちは資本主義の理論的根拠(と思っている)経済学も破綻(はたん)したと言いたがる。 でもそのほとんどは、実は経済学の主張を... 続きを読む
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欲情の文法 [著]睦月影郎 - 青木るえか - 新書の小径(週刊朝日) -... book.asahi.com
■エロ小説はファンタジーの世界なのだ 子供の頃、エロ本が読みたくてもなかなか手に入らないから、やむなく自家発電のために自分で書いたり描いたりします。私もやりました。描くほうは早々に挫折して(人間二人がからんでる絵って、ものすごくむずかしい)、書くほうに狙いを絞ったが、文章でもエロは難しかった... 続きを読む
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「本当はこの本が売りたかった」 ジュンク堂書店新宿店閉店 - ニュ... book.asahi.com
3月31日に閉店するジュンク堂書店新宿店で書店員が作ったフェアの棚がアツい!と話題になり、連日、多くの客を集めている。「反核」「アジアを拓く本の旅」「オキナワカエセ」などかたいフェアのほかに、「さようなら~社会科学担当者が本当に売りたかった本~」「本音を言えばこの本(芸術書)を売りたかった!!... 続きを読む
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希望難民ご一行様-ピースボートと「承認の共同体」幻想 [著]古市憲... book.asahi.com
■「何を」あきらめればよいのか、を問う 現在、急激に注目を集めつつある若手社会学者・古市憲寿氏の最初の著作である。一言で特徴づければ、ピースボートへの参与観察をもとにした若者論ということになる。 まず、単純に、ピースボートの実情を知るだけでも抜群におもしろい。たとえば私は、ピースボー... 続きを読む
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痕跡本のすすめ [著]古沢和宏 - 田中貴子(甲南大学教授) - 書評 - ... book.asahi.com
■本との対話や格闘、生々しく 「函(はこ)欠、背ヤケ、本文点シミ、線引き・書込みあり」。古書店で商品に付けられたこんな注意書きを目にして、あえて購入する人は少数だろう。函がなく傷んでいるうえに、傍線や書き込みなんかがあると読むのに邪魔でしょうがないからだ。 ところが、こうした古本市場での落... 続きを読む