私たちは、国家は国民の生活を守るものだと当たり前のように信じている。確かに日本国は、外国からの侵略を防ぐための軍隊と、治安を維持し犯罪を摘発するための警察力を擁している。だが国家が、すべての貧しく不幸な人たちを救済してくれるわけではない。 日本国は現在、公園や河原で暮らす日本国民を劣悪な生活環境の中に放置している。住む家もなく、残飯を漁る以外に生きる術を持たない彼らは紛れもなく日本社会の最貧困層であるが、国家が保護の手を差し伸べることはない。なぜなら、生活保護は自治体が支給するものであり、申請の要件として住民登録が必要とされているからだ。住所を持たないホームレスは行政上「存在しない人々」であり、保護の対象にはならない。だがこれは欺瞞ではないだろうか? ホームレスに対して「自己責任」を問う人がいる。彼らは自ら望んで社会からドロップアウトしたのだから、国家が保護を与えるのは彼らの意思に反するこ