南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! 私の青春は暗かった。何度もブログやこの連載でも書いてるけれど。 学校には居場所がなく、クラスのなかの派閥争いやカースト制にうんざりする一方、小心者だったので、ドロップアウトする勇気もなかった。勉強が嫌いなわりには、吐気をこらえて受験勉強に勤しみ、ストレスをどんどん溜めこんでいった。ちなみに女の子とのコミュニケーションの取り方もわからなかった。 今も締め切りに追われたり、ゼニを稼ぐためにあくせく働き、物語をつくるために脂汗をたらたら掻いている毎日だが、あの十代のころのどんづまりな暗黒を考えると、今のほうがずっと幸福ではある。荒井由美の曲みたいに「あの日にかえりたい」といった感情はほとんど抱くことはない。 ただし、どんな行き場のない少年少女にも、ひ