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児童マンガとしての『よつばと!』 - 紙屋研究所 d:id:kamiyakenkyujo
マンガ, 紙媒体掲載 うちの娘は5歳になる。この年齢は、なんと、あずまきよひこ『よつばと!』の主人公・小岩井よつばと同じだ。よつばは、ひらがなとカタカナが読めるようであるが、うちの娘もどうにか仮名は読めるようになった。だから、ふりがながふってある『よつばと!』は読めてしまうのである。 そし... 続きを読む
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初心者が竹島問題を学ぶ2著 - 紙屋研究所 d:id:kamiyakenkyujo
書評 「我が国固有の領土」とは 竹島・尖閣諸島についての政府見解で「我が国固有の領土」って出てくるけど、あれってどういう意味だろう。 「固有」がわかりにくいのな。固有って、領土問題では、その国だけのもの、って意味じゃねーの? 領土がどこかの国のものだなんて当たり前じゃん。 「大辞泉」とかみると... 続きを読む
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「おおかみこどもの雨と雪」 - 紙屋研究所 d:id:kamiyakenkyujo
雑感, 子育て 帰省中に娘が寝た後、つれあいといっしょに映画「おおかみこどもの雨と雪」を観に行った。人間であり狼である狼男と結婚した、大学生・花(ハナ)が狼男の子どもである雪(ユキ)と雨(アメ)を生み育てる物語である。 以下はネタバレをする。結末がわかってもいいという人だけ読んでほしい。 ハ... 続きを読む
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吉岡斉『脱原子力国家への道』 - 紙屋研究所 d:id:kamiyakenkyujo
書評 政府(国家戦略室エネルギー・環境会議)が2030年のエネルギーをどんなデザインにするか国民に聞いている。8月12日までパブコメを受け付けている。http://www.npu.go.jp/policy/policy09/archive01.html お前らも当然出すよな。 で、実際、ど... 続きを読む
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小山田容子『ちっちゃな頃からおばちゃんで』 - 紙屋研究所 d:id:kamiyakenkyujo
マンガ 28歳とは思えない。 いや、タイトルから想像される「おばちゃん」=オバタリアン(いわゆる「女らしさ」を放棄している、度し難い図々しさをもっているなど)という意味ではない。地元の銀行に勤める28歳の独身女性主人公・里谷淳子の家族観と人生観があまりにオトナなのだ。その意味で里谷はおばちゃ... 続きを読む
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向井蘭『社長は労働法をこう使え!』 - 紙屋研究所 d:id:kamiyakenkyujo
書評 この本は、「経営法曹会議」という経営者側、資本側の立場に立った弁護士が書いている労働法活用本であり、タイトルのとおり、資本側への指南書にするつもりなのである。 そうすると中身は超絶ブラックなことが書いてあるんだろうな、と思うんじゃないか。「プロ弁護士が教えるモンスター社員・ぶら下がり社... 続きを読む
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木暮太一『僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?』 - 紙屋研... d:id:kamiyakenkyujo
書評 昨日の朝日新聞の書評欄で大きくとりあげられていた。http://www.matomabooks.jp/news/archives/1153.html マルクスを使った自己啓発本である。その発想がすごい。 著者は『マルクスる?』で知られた木暮太一である。 本書の特徴は、 大学時代にわた... 続きを読む
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「頭がいい」とはどういうことか──貧困、学歴、無料塾 - 紙屋研究... d:id:kamiyakenkyujo
雑感 ネット上で生活保護をめぐる話から親と子の関係の話に話題がとび、さらに「頭のよさ」についての話題にもなっているので、ぼくもちょっと書いてみる。DQNの教育問題について、またはわたしもDQNであるということ - はてなの鴨澤 環境という足枷 - G.A.W. 「頭がいい」とはどういうことか... 続きを読む
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引用元書けばいいのかよ 議員の海外視察報告書騒動 - 紙屋研究所 d:id:kamiyakenkyujo
雑感 福岡市議会の市議会議員(民主・市政クラブ)の若手4人の海外視察レポートが、ウィキペディアや研究者の論文からのコピペだったというので、地元のマスコミなんかでにぎわいをみせておる。 そのレポートはこれ。http://www.city.fukuoka.lg.jp/gikai/info/pdf... 続きを読む
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梅本ゆうこ『マンガ食堂』 - 紙屋研究所 d:id:kamiyakenkyujo
書評, マンガ マンガに出てきた食事を再現する有名なブログ「マンガ食堂」が、書籍化されたもの。http://umanga.blog8.fc2.com/ ぼくが自分の胸に手をあてて、心の声に耳をすましたとき、「食べたい…」と思えるマンガ料理、というかまず思い浮かべるマンガ料理は、なんといって... 続きを読む
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男女共同参画推進とは花を植えることか? - 紙屋研究所 d:id:kamiyakenkyujo
雑感 ぼくの住む福岡市には校区ごとに「男女共同参画推進協議会」というものがある。校区ごとにあることからもわかるように、自治会・町内会に関連した地縁的組織である。自治会単位ごとくらいに1人ずつ委員を出して、その校区の「男女共同参画推進協議会」をつくるのである。 いわば自治会の「役」の一つのように... 続きを読む
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加納朋子『七人の敵がいる』 - 紙屋研究所 d:id:kamiyakenkyujo
書評 「ボランティア」という名の強制 加納朋子の『七人の敵がいる』は、出版社でバリバリ仕事をこなすが、キツいモノ言いしかできない子育て中の母親が、PTA、自治会、学童、少年スポーツといった「ボランティア」の役員に引きずり込まれていく様子をコミカルに描いた小説である。 冒頭で小学校に入学し、さい... 続きを読む
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『福島第一原発の一番長い7日間』 - 紙屋研究所 d:id:kamiyakenkyujo
マンガ こ、これは……! すごい。すごすぎる。あまりにもすごすぎる漫画だと言わねばなるまい。 いや、いま震災関連の漫画とか読んでるんだけど、その1冊として本書が目にとまり、手にとってみたわけですよ。 もう一度タイトルをよく見てみよう。 『東日本大震災、知られざる戦い 福島第一原発の一番長い... 続きを読む
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湯浅誠の声明とインタビューへの違和感 - 紙屋研究所 d:id:kamiyakenkyujo
雑感 湯浅誠が内閣府参与辞任について述べた言葉や、湯浅誠からのお知らせ: 【お知らせ】内閣府参与辞任について(19:30改訂、確定版) それをめぐって受けたインタビューに違和感がある。特集ワイド:内閣府参与を辞任、湯浅誠さん 「入って」みたら見えたこと - 毎日jp(毎日新聞) もともとの意... 続きを読む
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松竹伸幸『これならわかる日本の領土紛争 国際法と現実政治から学ぶ... d:id:kamiyakenkyujo
書評 教科書検定に見る竹島と尖閣諸島 文部科学省の教科書検定の結果が発表された。 竹島と尖閣諸島の扱いの「違い」によって施された修正は興味深い。http://mainichi.jp/life/edu/news/20120328ddm002100067000c.html 下記は帝国書院の「地理... 続きを読む
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鈴木みそ『僕と日本が震えた日』 - 紙屋研究所 d:id:kamiyakenkyujo
マンガ, お知らせ, 紙媒体掲載 「民医連新聞」2012年2月6日号で、上野顕太郎『さよならもいわずに』を紹介した。なぜなら。震災1周年にあたって、被災を直接していない人たちにも「身近な人たちが突然いなくなる」という感覚について考えてほしかったからだ。 上野顕太郎『さよならもいわずに』 - ... 続きを読む
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日生マユ『放課後カルテ』 - 紙屋研究所 d:id:kamiyakenkyujo
マンガ, お知らせ, 紙媒体掲載 「週刊プレイボーイ」2011年12月20日号で瀬川藤子『VIVO!』についての書評を書いた……ってどんだけ日にちがたってんだよ。すいません、ただのお知らせだけじゃなくて、なんかつけくわえて記事を書こうとしているので、こんな事態になっておるのです。これからも紙... 続きを読む
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架空インタビュー2.0 『一般意志2.0』ふたたび - 紙屋研究所 d:id:kamiyakenkyujo
雑感, 書評 東浩紀が『一般意志2.0』についてインタビューを受けている。「一般意志2.0」が橋下市長の“独裁”を止める?―現代思想家、東浩紀インタビュー(BLOGOS編集部) - BLOGOS(ブロゴス) 全体に「言い訳解説」的になっているのは、誤解というか攻撃というか、マイナスの風がもの... 続きを読む
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篠原ウミハル『図書館の主』 - 紙屋研究所 d:id:kamiyakenkyujo
マンガ 『モジャ公』を与える 4歳の娘に「マンガの英才教育」を施そうと、全集版で出た藤子・F・不二雄の『モジャ公』を買い与えた。この寒いのに、「早くフロに入りなさい」という親の忠告もそっちのけで、脱衣場で裸になったまま『モジャ公』を広げて読みふけっている。 母親であるつれあいは、マンガに夢中に... 続きを読む
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「石破vs田中」は石破の負けでござる - 紙屋研究所 d:id:kamiyakenkyujo
雑感 田中防衛大臣が自民党の石破議員から質問をうけ、自衛隊の法的根拠を答えられなかったという。 田中氏はこの日も、防衛相というより国会議員としての資質さえ疑わせる基礎知識のなさを露呈した。 自衛隊の「合憲性」を憲法のどこで読み込むのか質(ただ)され、得意の棒読みで憲法9条をたどったのはよい... 続きを読む