【ベルリン=黒沢潤】「マケドニア」の名称をめぐり、1990年代に旧ユーゴスラビアから独立した同国と、隣国のギリシャが激しい“火花”を散らしている。「マケドニアは本来、ギリシャの一地方である」と主張し、国名変更を強く求めるギリシャは今春、マケドニアの北大西洋条約機構(NATO)への加盟を阻止した。これに対し、マケドニアは11月、ギリシャが加盟を妨害したとして、国際司法裁判所(オランダ・ハーグ)に提訴する事態となっている。 マケドニアは今年4月、ルーマニアのブカレストで開かれたNATO首脳会議で、クロアチアやアルバニアとともに、加盟を承認してもらうことを期待した。NATOの盟主である米国のブッシュ政権も「伝説のアレキサンダー大王の子孫が誰であるかという議論で、NATOの拡大を頓挫させるわけにはいかない」(英BBC放送)とマケドニアの加盟を後押しした。 だが、ギリシャが拒否権を行使し、西側の一員