2022/05/28 岩鼻 カテゴリ:カテゴリ未分類 八月四日の暁、鶏の声もいつよりハはなやかに横雲はなるゝ頃、矢賀といふ所にて人々に名残をおしむ 茶屋も今古酒に新酒の別哉(渡辺光史「『紙魚日記』輪読ノート」)(明和元年)八月四日の暁、鶏の声もいつもより華やかに鳴き、横雲が山の端を離れる頃、矢賀という所の茶店で見送りの人々と名残の酒を酌み交わす。 茶屋も今古酒と新酒が交代する時期だなあ 『紙魚日記』は広島堺町に庵を結んだ多賀庵風律の伊勢参宮への俳諧紀行文です。 茶所岩鼻にあり、享保二丁酉年はしめてがらがら橋根に建寛政八丙辰年こゝヘうつさる、国君御逍遙の時の御休所となり又他邦の諸侯方御通行の時この茶所にて御休あり、又御城下入御行列の建替なとせらる、 往来休茶屋甚六茶屋といふ、右茶所の北隣にあり、裏に藤の棚ありさかりのころ人群集す、(『知新集』) 「岩鼻」とは、岩