『池田信夫 blog』 の注目エントリー
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「すり合わせ」の神話 - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
トヨタの渡辺社長が辞任し、豊田家に「大政奉還」される。世界のトヨタも、古い同族企業だったわけだ。遅きに失したが、トヨタ・バブルがようやく崩壊したのは結構なことだ。こうした古いシステムを「ものづくり」だの「すり合わせ」だのと賞賛してきた経営学者も、反省してほしいものだ。 日経BPnetにも書いた... 続きを読む
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プログラムされた父殺し - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
おとといの短い記事が、予想外の波紋を呼んでいる。コメントも50以上ついているが、その多くが学生運動がらみであるところがおもしろい。今の若者にとっては神話的な時代なのかもしれないが、そのころを知る者として少し書いておこう。 最近もギリシャで反政府暴動が起きているが、こういうのは基本的に学生がエリ... 続きを読む
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資本主義はなぜ自壊したのか - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
著者には学生時代からお世話になったので、こういう記事を書くのは心苦しいが、率直にいって8年前の本あたりからおかしくなったといわざるをえない。本書は、経済学者が書いたとは信じられない本だ(画像にはリンクを張ってない)。たとえば、著者はこう書く:シニョレッジ(通貨発行益)が発生するのは、基軸通貨だ... 続きを読む
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今年のベスト5(ジャズ) - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
このごろジャズはあまりおもしろくないので、新譜はほとんど聞かない。ハードディスクに入れたチャーリー・ヘイデンやパット・メセニーなどを、流しっぱなしで聞いていることが多い。そんな中で、久々に感動したのは1だった。ウォルドロンの最後の録音で、最初の1小節で彼の音楽だとわかる。マレイはこういう静かな... 続きを読む
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世代間戦争 - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
当ブログの昔の記事が、またJ-CASTニュースで話題になっているようだ。断っておくが、私は「働かない中高年リッチ解雇せよ」などと書いたわけではない(そんなことは不可能)。しかし日本経済の最大の問題は、実はデフレでも「格差」でもない。日本経済が長期的に衰退し、かつその負担が将来世代にとって加速度... 続きを読む
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[中級経済学事典] インフレ目標 - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
ひところ「世界標準」だとか騒がれたインフレ目標も、本家のバーナンキが沈黙し、クルーグマンが撤回し、スティグリッツも否定して、誰もいなくなった。日本のデフレで有効なら、ほとんど同じ状況のアメリカでも有効なはずだが、それを提唱する経済学者がひとりもいない「世界標準」って何なのか。 自称リフレ派の議... 続きを読む
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今年のベスト10(本) - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
今年も(半分は仕事で半分は趣味で)たくさん書評を書いた。週刊ダイヤモンドの書評は、まもなく10周年だ。当ブログのBooksカテゴリーにも、この記事を含めてちょうど100本の記事がある。ここで取り上げたのは必ずしも買うことをおすすめする本ではなく、読んではいけない本にはリンクを張っていない。左側... 続きを読む
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代引きが「為替取引」? - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
あまり知られていないが、通販の利用者にとっては他人事ではない規制が進められている。金融庁が、荷物を受け取って代金を払う「代引き」を規制しようとしているのだ。その理由が驚きだ。代引きが為替取引だからというのである。 犯罪収益移転防止法では、マネーロンダリングを防ぐために為替取引の際に本人確認を義... 続きを読む
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新たな「失われた10年」が始まる - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
トヨタが半世紀ぶりの赤字に転落する見通しになった。これはさほど驚くにはあたらないが、問題はトヨタやソニーがこけると、日本経済全体が沈没する産業構造だ。つまり現状は一時的な景気後退ではなく、1990年と似た輸出バブルの崩壊が起こったと考えたほうがいい。利下げは、そのショックを緩和する「痛み止め」... 続きを読む
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イノベーションは技術革新ではない - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
経済成長の最大の要因がイノベーションだということは、今日ほぼ100%の経済学者のコンセンサスだろう。したがって成長率を引き上げるためには、マクロ政策よりもイノベーション促進のほうがはるかに重要である。これについて先進諸国で採用されている政策は、政府が科学技術に補助金を投入する技術ナショナリズム... 続きを読む
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再交渉としての不況 - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
きのうの記事を理解できない人もいるようなので、少し補足しておこう。テクニカルな話なので、契約理論に興味のない人は無視してください。これは会計的には自明の事実で、金融取引は社会全体としてはゼロサムなので、損失の反対側には同額の得が必ず生じている(得した人は黙っている)。ゼロ金利が景気対策として役... 続きを読む
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ゼロ金利で得したのは誰か - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
FRBが事実上のゼロ金利に踏み切った。アメリカはすでにデフレ局面に入って、自然利子率は負になっていると考えられるので、やむをえないだろう。これで10年前の日本とほとんど同じ状況になったわけだ。それから10年、日本はいまだにゼロ金利ゾーンから抜けられず、またゼロになるかもしれない。その意味で、日... 続きを読む
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史上最大のねずみ講 - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
500億ドルのねずみ講というのはスケールが大きいが、史上最大のねずみ講はマドフではない。Time誌は、マドフは社会保険庁の長官に適任だとしている。財政もねずみ講状態なので、財務長官もやってもらったほうがいいかもしれない(ついでに日本の財務相も)。 続きを読む
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バーナンキ博士 量的緩和を語る - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
Calcurated Riskより:幸か不幸か、"quantitative easing"は世界共通語になったようだ。日本では、また政府が日銀に圧力をかけているが、ケインズの言葉を引用しておこう:Some people seem to infer from this that output a... 続きを読む
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ハンコ・元号・縦書きをやめよう - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
あるウェブマガジンに依頼された原稿を送ったら、「申告書」がEメールに添付されて、「銀行口座を書いて署名・捺印して郵送せよ。それまで原稿は掲載しない」という。「私が頼んで原稿を書いたんじゃない。こんな失礼なサイトに原稿を掲載するのは、こっちがお断り」と返事したら、担当者があわてて「経理規定を見直... 続きを読む
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金融政策では日本は救えない - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
著者(高橋洋一氏)は、勝間和代氏や佐藤優氏と並ぶ今年のスターだろう。『さらば財務省!』は、当ブログでも300冊近く売れて驚いた。このごろは『週刊プレイボーイ』にまで進出しているが、そろそろブレーキをかけたほうがいいんじゃないか。本書はわりあい学問的な本で、宮崎哲弥氏のような素人の話とは違うが、... 続きを読む
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集中講義!アメリカ現代思想―リベラリズムの冒険 - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
ランドの本が過ぎ去ったリバタリアンの時代の教典だとすれば、これから来る(かもしれない)リベラルの時代の教典は、ロールズの『正義論』だろう(邦訳はおすすめできない)。とはいえ、この難解な大著を読むのは骨が折れる。本書はロールズを中心にして、一方ではリベラル対リバタリアン、他方ではリベラル対コミュ... 続きを読む
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[中級経済学事典] 事後の正義 - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
最近、解雇やリストラのニュースが目立つ。これは不景気が「中期」に入ったとき出てくる定番で、私も昔よく取材した。こういうネタは取材が楽だ。労組がすべてお膳立てしてくれて、「被害者」も顔出しで企業を批判するので、絵になるからだ。特にこういうときは経済部ではなく社会部の記者がやるので、勧善懲悪になり... 続きを読む
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今年のベスト10(ロック) - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
今年もいろいろなベスト10が出ているが、当ブログとよく似た趣味のQのリストを紹介しておこう:Kings of Leon - Only by the Night Fleet Foxes - Fleet Foxes Coldplay - Viva la Vida Vampire Weekend -... 続きを読む
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利己主義という気概 - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
グリーンスパンがFRB議長をつとめた18年間は、著者アイン・ランドに象徴されるリバタリアンの時代だった。「自己調整的な市場」を信じたグリーンスパンの手法が現在の金融危機の原因だ、とスティグリッツは断罪している。投資銀行を規制しようとしたヴォルカーを更迭して、ランドを教祖とするクラブのメンバーだ... 続きを読む
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ブラウザをGoogle Chromeに変えた - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
ここ数日、Google Chromeを試してみた。ベータ版はいろいろ問題があって使うのをやめたが、今度の正式版はほぼ問題点が解決されたので、既定のブラウザをChromeに変えた。Firefoxのライブ・ブックマークがインポートできないが、大した問題ではない。グーグル・ツールバーが使えないが、「... 続きを読む
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世界経済危機 日本の罪と罰 - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
当ブログは、このごろ毎月200万PVを超えるようになった。それは私が望んだことでもないし、よけいなイナゴが群がるのはうっとうしいのだが、今井賢一氏や小幡績氏からコメントが来たり、経済学者にEメールで賛同(あるいは批判)していただいたり、献本をいただいたりすると、私の意見も少しは学問的に認知され... 続きを読む
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いま日本経済はどこにいるのか - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
麻生首相が突然、打ち出した「生活防衛のための緊急対策」は意味不明だ。予算措置もなしに「追加対策」が出てくるのはどういうわけかと思ったら、大部分はこれまでの補正予算と重複している。これでは食品偽造ならぬ「政策偽装」ではないか。おまけに「3年後に増税」というところばかり強調され、なんだか緊縮財政を... 続きを読む
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StarSuiteがグーグルから消えた - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
グーグルのサイトからフリーのオフィスソフト、StarSuite8が削除された。StarSuite9は、サンのサイトから有料でダウンロードできる。OpenOffice.orgはフリーで入手できるが、機能は制限される。StarSuite 8はPDFファイルが作れるなど便利な点もあるので、たまに使っ... 続きを読む
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周波数オークションのミクロ経済学 - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
17日のシンポジウムには、参議院議員の鈴木寛氏(民主党)にコメンテーターとして参加していただくことになった。これは民主党にとっても、古いケインズ政策しか出せない自民党に代わる提案のできるチャンスだと思う。その規模も最大3兆円、産業への波及効果を考えればその数倍だから、定額給付金をはるかに上回る... 続きを読む
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減税の乗数効果 - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
Greg Mankiw's blogより: 教科書的なケインズ理論では、減税より公共投資のほうが「乗数効果」は大きいと教えるが、最近の実証研究では、戦後の公共投資の乗数は1から1.4程度なのに対して、減税の乗数効果は3という結果が出ている。これは通常のケインズ理論では説明できない。波及経路とし... 続きを読む
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大麻とタバコのどっちが有害か - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
例によって迷走していたタバコ増税が、見送りの方向になったようだ。いろんな理由がついているが、要するに財務省の最大の利権・天下りポストである日本たばこ産業を守ろうということだろう。予算を預かる会計係が先輩(会長は元主計局長の涌井洋治氏)に便宜供与するなんて、民間企業ではほとんど背任だが、霞ヶ関で... 続きを読む
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金融大崩壊 - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
金融危機についての本が、内外ともにどっと出てきた。私は仕事の関係でひととおり目を通したが、「リーマン前」については、先月のリストにあげた以外に読むに値するものはない。1冊だけ読むなら、El-Erianをおすすめする。「リーマン後」の本は、海外ではまだ出ていない。海外の出版社は脱稿から出版まで3... 続きを読む
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亡霊の論争する経済論壇 - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
私は世の中的には「右派」とみられているようで、『文藝春秋』、『諸君!』、『Voice』などが毎月、送られてくる。執筆依頼もこういう雑誌だけで、『論座』や『現代』からは依頼はこなかった(両方ともつぶれたが)。こういう右派の雑誌の基本的な立場は、政治的にはナショナリズム、歴史的には「自虐史観」を否... 続きを読む
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宮崎哲弥氏の30年おくれの経済学 - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
このごろ『文藝春秋』のお気に入りは、宮崎哲弥氏らしい。先月の座談会に続いて、きょう送られてきた1月号(10日発売)では「逆転の日本興国論」と題して、「現在の不況を克服し、日本経済の強みを発揮するために、最も優先されるべきはマクロ政策だ」とのべ、財政赤字への批判をこう一蹴する:日本の赤字国債のほ... 続きを読む
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「日本の経験」を誤解する人々 - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
先日は、ロゴフが日銀の失敗を踏まえないで「インフレを起せ」という愚かな主張をしていることを紹介したが、今度はクルーグマンがナンセンスな話をしている。AFPによれば、彼はスウェーデン銀行賞の受賞会見で、こう語ったそうだ:日本に感謝する必要があると考える。経済危機が起こりうるという現実と、その際に... 続きを読む
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アメリカ経済を動かすブログ - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
私のRSSリーダーから日本のブログはすべて削除したが、アメリカのブログは新聞サイトより多くなった。いま登録しているのはGreg Mankiw's BlogMarginal RevolutionThe Big PictureFreakonomics BlogBecker-Posner BlogR... 続きを読む
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RealPlayer11 is Worstware - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
10年以上前からの惰性でRealPlayerを使っているのだが、すぐクラッシュして"Repair Database"というメッセージが出る。こうなると、すべてのファイルを登録しなおさなければならず、AutoPlayListは消えてしまう。有料バージョンも同じで、今度バージョン11になってからは... 続きを読む
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[中級経済学事典] マネーストック - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
欧米の中央銀行が「非正統的な金融政策」に相次いで踏み切った。日本の経験からいうと大した効果は期待できないが、やってみる価値はあろう。いま欧米の金融機関の置かれている状態は、金融機関の仲介機能が崩壊した「非正統的」な不均衡状態だからである。同じ意味で、財政政策という「非正統的」なマクロ政策も、一... 続きを読む
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麻生政権の「学級崩壊」 - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
上杉隆氏が、麻生政権が政権末期の「学級崩壊」の様相を呈してきたと書いている。連日の報道も、漢字が読めないとか失言とか政策と関係のない悪口ばかりで、党内でも若手が公然と反旗をひるがえし、石原幹事長代理まで「麻生政権で選挙をやって与党でいられるのか」といい出した。 しかし私が政治家に取材した印象で... 続きを読む
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幸せって何だろう - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
経済学では100年以上、人間の幸福(効用)は財の消費量の増加関数だと仮定してきたが、この命題は一度もシステマティックに実証されたことがない。そもそも一意的な(合理性の公準をみたす)効用関数が実際に存在するというデータさえない。行動経済学の実験は一致して、そのような効用関数は存在しないと証明して... 続きを読む
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近隣窮乏化の誘惑 - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
欧州通貨が激しく下がっている。今日は1ユーロ=117円と、図のように4ヶ月で30%以上下がった。ポンドに至っては40%以上も下がった。同じ時期にドルは、15%しか下がっていない。それでも外銀のファンドマネジャーによると「ユーロは利下げでもう一段下がる可能性があるので、おすすめできない」という。... 続きを読む
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日本語はすでに亡びている - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
本書はちょっと前にブログ界で話題になったようだが、妻が買って「つまらない」といって投げ出した。私もパラパラと読んでみたが、やはりつまらなかった。論旨が整理されておらず、何がいいたいのかよくわからないのだ。タイトルから日本語が文字どおり使われなくなると主張しているのかと思って読むと、どうもそうで... 続きを読む
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不況は創造的破壊のチャンスだ - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
ビッグスリーの破産が秒読みになってきたが、メディアの論評で「救済せよ」というのは、私の見たかぎり皆無だ。目立つのは創造的破壊という言葉である。たとえばNewsweekは、デトロイトの垂直統合型産業構造はとっくに寿命が尽きているので延命する価値はないと断定し、諸悪の根源である労働組合をつぶすには... 続きを読む
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予想どおりに不合理な電波政策 - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
17日のシンポジウムのために書いた、私の周波数オークションについてのポジション・ペーパーが、業界で論議を呼んでいるそうだ。圧倒的に多いのは「巨額の免許料をとると料金に転嫁され、損をするのは利用者だ」という批判だという。それが理論的にも経験的にも誤っていることは昔の記事でも書いたので、繰り返さな... 続きを読む
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春闘というカルテル - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
連合が、来年の春闘で8年ぶりにベースアップを要求する。彼らによれば「賃上げこそ最大の景気対策」だそうだ。月曜には、麻生首相が財界に賃上げを要請した。このバックには経産省がいるようだが、「100年に1度」の不況のさなかに賃上げを求めるセンスは救いがたい。彼らの主張は正しいだろうか。まずミクロ経済... 続きを読む
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「プロジェクトX」という錯覚 - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
きょう東京駅で、こんなポスターを見た。きのうから始まった「NHKオンデマンド」の広告だ。ところがきのう、NHKに関する最大のニュースは、その目玉である「プロジェクトX」の元プロデューサーが、万引きで検挙されるというニュースだった。私は彼を直接には知らないが、元部下によると彼自身もプロジェクトX... 続きを読む
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[中級経済学事典] 自然失業率 - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
きのうの短い記事が、意外に論議を呼んでいるようだ。40年前の経済学の常識が、まだ一般に理解されていないのは困ったものだが、サマーズがいっているのは長期の労働供給、つまり自然失業率の原因である。短期的には労働需要の変動が失業に影響するのは当たり前だが、それを政府が完全にコントロールすることはでき... 続きを読む
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失業の最大の原因 - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
Greg Mankiw's Blogより、オバマ政権の国家経済会議(NEC)委員長になるラリー・サマーズの言葉:To fully understand unemployment, we must consider the causes of recorded long-term unemplo... 続きを読む
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[中級経済学事典] ネットワーク外部性 - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
一時、IT業界で収穫逓増というbuzzwordが流行したが、最近は忘れられたようだ。しかし、この概念は現在の状況を考える上で役に立つ。かつて収穫逓増として騒がれたのは、経済学で正確にいうとネットワーク外部性である。これは古典的な意味での収穫逓増(規模の経済)とは違い、ある人の行動による利益が他... 続きを読む
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グローバルな逆淘汰 - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
スペンスの金融危機についてのエッセイが、PIMCOのサイトに出ている。彼の処方箋は、第一に金融システムのtight couplingを是正し、決済機能と仲介機能を区別して規制すること、第二に危機管理をルール化し、tail riskが生じた場合に自動的に発動できるようにすることだ。 これはもっと... 続きを読む
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FRBはケチャップを買うか - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
Economist誌が、FRBに非正統的な金融政策を推奨している。これは日本が経済政策で世界に誇れる、数少ない分野だ。なにしろ10年近く、論争が続いているからだ。本書は「失われた15年」との関係でこうした政策を整理しているが、今回の金融危機についての分析を加えて英訳すれば、各国の政策担当者に重... 続きを読む
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クロード・レヴィ=ストロース - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
レヴィ=ストロースが、今日で100歳を迎えた。20世紀を代表する知性が1世紀を生き、しかも今でも執筆活動を続けている(今年も新刊が出た)のは驚異的だ。彼のライフワークは『神話論理』だが、質量ともに一般の読者むけの書物ではないので、代表作といえば本書だろう。私も本書に影響を受け、東大の文化人類学... 続きを読む
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シュンペーターの逆説 - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
今週のASCII.jpにも書いたが、朝日新聞が初の赤字に転落したのは、業界にはけっこう衝撃的なニュースだったようだ。これは欧米ではすでに起こっていることで、遅かれ早かれ避けられない。日本では再販制度で守られてきたぶん、独占利潤の崩壊が遅れただけだ。 では新聞サイトで購読料モデルが成り立つかとい... 続きを読む
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ケインズの闘い - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo
私は学生時代に、先生の下請けで『ケインズ全集』の下訳をやったことがある。第1次大戦後の賠償問題についての事務的な書簡で、訳していて疲れたが、彼の官僚としての優秀さを実感した(その先生が死去したため、訳本はいまだに出ていない)。よく知られているように、ケインズはヴェルサイユ条約でドイツに莫大な賠... 続きを読む